丸橋正幸 × 岡田佐知子 -きらら- 開催中です!
- 制作の現場から
2024.01.17
〒101-0031東京都千代田区東神田1-13-17 森ビル1F
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OPEN 11:30 CLOSE 18:00(最終日17:00)
休廊日は展覧会により異なります
03-6206-0811
2023.01.14
前回に続きまして、2023年1月22日よりSAGで開催されるグループ展「Prints & collge」に出展する江波戸陽子さんの制作過程をご紹介します。
江波戸さんは主に版画で使用される画材を用いて、ノスタルジーな雰囲気をまといつつ、見る人の口元がちょっと緩んでしまう素敵な作品を生み出しています。
前回は陶器製の小さな置物フェーヴをモチーフでしたが、今回ご紹介する作品はこちら。
何やら長毛の犬のようなものが描かれています。
その正体は江波戸さんが作家のARADOMOさんから購入した作品だそうです。
こちらが実物の写真です。
どのような過程を経て作品として描かれていくのかみていきましょう。
まずは今回使用する画材をご紹介いただきました。
左から順に、銅版画用ニードル、カーボン紙の切れ端、ダーマトグラフ、ソリッドマーカー、平筆、プリントクリーナー、銅版画用油性インクです。
これらの画材を用いて、木版画で使われる手漉きの和紙に描いていきます。
最初に行ったのは紙のカット。
これから描くモチーフがバランスよく収まるように、紙のサイズを整えます。
そしてモチーフをよく観察しながら、筆と銅版画用油性インクで描画して、大まかな形を捉えていきます。
大まかに捉えたシルエットの上に、カーボン紙を擦り付けて陰影をつけます。
複写式の書類などでも使われるカーボン紙ですが、こういう使い方もできるのですね。
続いてダーマトグラフを使って、モフモフのモーチーフの毛羽立ちを描きます。
さらに油性インク、カーボン紙とニードル、ダーマトグラフを用いて、細かい毛の流れや質感を描き込んでいきます。
モチーフの描画が完成したら、バットにホットコーヒーを入れて10分〜15分間絵を染めることで、エイジング加工を加えます。
描画の際にプリントクリーナーが染みた部分はよく染まります。
ホットコーヒーから作品を取り出し、重しをして水分を抜くと完成です。
江波戸さんの作品は大胆に余白をとって描かれることが多く、近づいて見ないとその魅力は伝わりにくいです。
ぜひギャラリーに足を運んでいただいて、実物をお楽しみください。
Prints & collage
2023年1月22日(日) ~ 2022年12月28日(水)
12:00~18:30 / 日曜 12:00~18:00 / 月曜休 / 最終日〜17:00迄