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谷田梗歌 展 2022 氷を撮る理由

2022.09.29

2022.09.29

今回は2022年12月4日より個展を開催予定の谷田梗歌さんの制作風景をご紹介します。
谷田さんはSAGの作家では珍しい写真を表現手段としている作家さんです。

こちらの動画は昨年2021年12月にSAGで個展を開催した際の様子です。

何を撮影した写真かお分かりになるでしょうか。
実は氷です。
谷田さんは氷を拡大して撮影し、コンピューターで処理を施す技法で制作をしています。

表現手段としての写真

人には向き、不向きがあります。
それはアートにおける表現手法においても例外ではありません。

谷田さんは以前に詩歌を詠んでいたそうですが、その作品はドロドロの鬱々としたものになりがちで、およそ鑑賞に堪えうるものではなく、全く向いていなかったのだとか。(高校時代に詠んだ短歌はノートごと捨ててしまったそう)。
しかしその点、写真はそうはならず、自らの表現手段として写真を選びました。

マルセル・デュシャンにはじまるとされる現代アートは、物事の意味合いを捉え直すという側面があります。
それは私たちに様々な視点を与え、世界の異なった見方を提示してくれますが、写真という表現は撮り手の視点が如実に反映されます。

「写真家が誰かの模倣を止めたなら、そして誰の模倣でもない視点を手にしたならば、それは自分の視点を人へ提示することに他ならない。世界の異なる見え方を、見る人に想起させたなら、それはアートなのでは。」と谷田さんは考えています。

ただ単に「綺麗な写真」や「プロの(ような)写真」では、見る人がその世界の異なる見え方を想起する手前で止まってしまうことを、谷田さんは問題として捉えています。

氷の可能性との出会い

氷は、谷田さんが20年以上にも渡って写真に撮り続けてきたメインテーマです。

氷を撮り始めたきっかけは、谷田さんが大学院に通っていた1年目の夏に、アイスキャンディーを齧った跡の断面をみて、ふと撮ってみようと思ったことでした。

その後色々な氷をとっかえひっかえにして撮ってみると、それまで破ろうとしても破れなかった自分の中の殻を突破できるような予感がしたそうです。
続けて何年と撮り続けるうち、天然の氷も冷蔵庫で作った氷もその美しさに変わりはなく、等しく人為の及ばぬ自然の造作物である、と考えるようになり、そこで得た視点を作品に落とし込むようになりました。

誰も見たことがなかった氷の幻想的な表情を捉える谷田さんは、もちろん撮影の道具にもこだわっています。
次回はその道具をご紹介します。

氷を撮影する機材のセット

谷田梗歌 展
2022年12月4日(日) ~ 2022年12月10日(土)
12:00~18:30 / 日曜 12:00~18:00 / 月曜休 / 最終日〜17:00迄

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