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休廊日は展覧会により異なります

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すずきしほ 心地よさ、ふわり。

2023.07.31

2023.07.31

本日は、8月6日(日)から個展を開催される、すずきしほさんの作品についてご紹介いたします。

昨年に開催されたGEE(=Golden Egg Exhibition)にて作品を展示したすずきさん。
今回は待望の個展、作品を一堂に並べます。
普段は油絵による作品を描いているすずきさんですが、今回は、通常のキャンバスにとらわれない、さまざまな素材を駆使した半立体作品を制作・展示予定です。

DMにも掲載されているミクストメディア作品「さんぽ道にあるお店」。
この角度から見ると、ふわふわと厚みのある支持体、それを縫い止める糸の凹凸、微妙な色の加減などがみてとれます。

本記事では、すずきさんが普段どんな想いを抱いて制作をしているのか、会場をどのように構成するのか等、個展開催を前にした想いをお聴きしました。

心地よい感覚

すずきさんが制作をするうえで意識しているテーマは、“心地よい”こと。
日常のふとした瞬間に出会う感動体験が、すずきさんの心地よさとなって、制作に反映されるのだそうです。

しかし、以前はこの感覚はなかったのだと、すずきさんは話します。

「画塾の先生から、「もっと感動してください」と言われたことがあります。
がむしゃらに大学合格を目指して描いていたときは、その意味がわからなくて。
でも絵を描くことを続けてきて、少しずつ、感動するとは自分にとっての“心地よいもの”の発見なのかなと思えてきました。」

何気ない友人との会話。
好きな映画や音楽作品に触れたとき。
雑貨屋さんで可愛い花瓶を見つけたとき。

いつどこで出会うか分からない、新しい発見。
普段過ごす中に点在する、大小さまざまな形の感動の瞬間が、いざ絵を描くときの原動力になっているのだそうです。

ミクストメディア作品「おやつの時間」。
この作品にも、すずきさんの心地よい感覚がたくさん詰め込まれています。

想像力の先に

心地よさの発見は、タイトルを選ぶときにも大切にしている感覚です。

絵の中に描かれているもの、こと、場所。
どんな気持ちでそこにいるのか。
登場しているあらゆる対象物に、どんなストーリーが隠れているのかを考えます。

「完成した絵を見ながら、たくさんの想像力を膨らませます。
これから誰と会うのか、楽しいのか、寂しいのか、どこにいるのか…。
そんな想像からふと浮かんできた“心地よい”言葉が、タイトルになるんです。」

ふんわりと浮かんだ、すずきさんの心地よい言葉。
しかし、見る人に対しては、この言葉に囚われてほしくないと常に感じているそうです。

「私が作品を見て膨らませる想像力と同じように、見る人には色々な想像力で作品を見てほしいと思っています。
私とは異なる視点で「こう感じた」という言葉もまた、私にとっては心地よい感覚につながるんです。」

自分とは違う考えに触れることもまた、新しい感動を見つけることなのだとか。
そこには、確固たる正解はないことを発見するという面白さに溢れているのだと、すずきさんは教えてくれました。

「タイトルから作品の答えを見つけるのではなく、見る人がそれぞれ自由に、好きなように想像を膨らませてほしいですね。」

あえて抽象的な表現や単語をタイトルに冠するのも、そうした想いから来ているのです。

「お庭のみずたまり」と名付けられた、この作品。
あなたなら、何を感じますか?
どんなストーリーが浮かびますか?
どんなタイトルをつけますか?

空間にも“心地よさ”を

すずきさんは、作品だけでなく、展示空間に対してもエスキース(下絵・素案)をおこします。

SAN-AI GALLERY入口からの光景をとらえたエスキース。
どこにどんな作品を置くと、空間として心地よいのか。
すずきさんの制作は、ここからスタートします。

「展示空間に入った瞬間に、“心地よい”と感じてほしくて。
そして、私だけでなく、見る人にとっての“心地よい”感覚も、一緒に共有したいと思っています。」

展示が決まったタイミングで、どのような作品を、どのように展示するのか。
作品を制作する以前に行う、大切な工程です。

展示場所の雰囲気。
床の色、光の入り方…。
空間を構成する多くの要素を考えながら、そこに見合う作品を考えていきます。

「実際に飾ってみないと分からない部分もあります。
でも、その空間がひとつの作品になるように、いつも意識しています。」

私たちはつい、作家から生み出される絵画や立体オブジェだけが作品と思いがちです。
しかし、すずきさんにとっては、作品を内包する空間そのものも、作品のうちなのです。

空間と展示作品。
一方だけでは成り立たない、相乗的な関係性が、すずきさんの作品の最大の特徴といえるでしょう。

**
今回の展覧会のテーマは、「植物園」。
すずきさんの思い描く、心地よい感覚に満ち溢れた庭園空間がギャラリー内に広がります。
作品たちから感じとる、ふんわりとした、夢心地のような柔らかな感情。
真夏の暑さの中に浮かぶ緑の楽園。
どうか心やすらぐ空間を求めて、扉を開いてくださいませ。

すずきしほ 個展 - 午後3時の植物園 –
2023年8月6日(日) ~ 2023年8月12日(土)
12:00~18:30 / 日曜〜18:00 / 月曜休 / 最終日〜17:00迄

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