
丸橋正幸 × 岡田佐知子 -きらら- 開催中です!
- 制作の現場から
2024.01.17
〒101-0031東京都千代田区東神田1-13-17 森ビル1F
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OPEN 11:30 CLOSE 18:00(最終日17:00)
休廊日は展覧会により異なります
03-6206-0811
2023.02.18
本日は3月5日から個展を開催される、岩井尚子さんの作品についてご紹介いたします。
岩井さんの作品は、日本画です。
和紙、岩絵具(主に鉱石などを粒子状に砕き、膠に混ぜて作ります)などの日本の伝統的な材料や技法を用いて、鮮やかに作品が彩られます。
花、装飾品、体のパーツ…。
大胆にフォーカスされるそれらのモチーフが、画面いっぱいに、女性らしい流麗な視点で構成されます。
今回の個展に出展される作品について、お話を伺ってきました。
「作品を描く時は大体直感で描き始めてしまいます」と話す岩井さん。
植物(花)のモチーフからのぞく「足」が印象的な作品が並びます。
モチーフの原点は、バレエ。
幼いころに10年以上続けていたバレエを再開されたことが、作品へのインスピレーションにつながっています。
今回は、足を4枚同時に描くことを決めたところから、制作がスタートしました。
まずは4枚の構図を考えていきます。
さらに、この動きのイメージに「花」を合わせていきます。
上の画像では、一番右側の作品に花のモチーフが描き込まれていることが確認できますね…!
構図が決まったら、あとはひたすら描き込んでいきます。
「躍動感と軽やかさを表現するように意識しています。」
今回のテーマである「バレエ」のように、形も、色も、要素の全てが、まさに“踊るように”展開されていきます。
今回同時に制作されている4枚は、金の舞台に映える繊細な「赤」が魅力です。
着彩の出だしにも赤がチョイスされていましたが、しかし以前の制作では、色がなかなか決まらなかったとか。
「昔は、色に振り回されることが多かったです。
でも10年近く色を封印する作品を描き続けて、ようやく自分が色を欲するようになった時、以前のような迷いがなくなった気がします。」
色を描かなかった時期でも、岩井さんが見つめていたのは鮮やかな「色」だったのかもしれませんね。
「作品をパッと見ただけでは、色数が多いようには見えないのですが、日本画の絵の具は色が混ぜられないので、気がつくと絵皿がたくさん並んでいます。」
繊細な色たちを、丹念に、しかし見事に組み合わせることで生み出される作品の色彩。
ストイックに、色本来の「色」を描く必要があるからこそ、色を封印していた時期の経験と希求が活きているかのようです。
色、形、モチーフ、構図…。
作品が表現されていくことは、まるで自分との対話のようにも感じられます。
眼前で展開されるものは、きっと自分を映し出す鏡のような、岩井さんの分身のような、そんな作品なのでしょう。
内面への希求が、昇華され、現実に躍りでる。
ちなみに、作品のタイトルは、制作の過程でふわりと思い浮かんできたものが大半だとか。
「自分のやりたいことを作品を通して教えてもらう、みたいな感覚です。」
なんだか作品にまつわるひとつひとつの要素と共に、ダンスを踊っているかのようにも思えます。
*
実は今回の制作現場取材の段階では、まだ作品は完成していません。
上の画像でも、完成形に近づいているようですが、「ここからが正念場です」と意気込む岩井さん。
ここからさらに描きこまれた完成品は、どんな作品なのか…。
ぜひ会場で直接ご覧くださいませ。
ギャラリーの白い壁に、どんな作品たちが舞い踊るのか、楽しみですね。
岩井尚子展
2023年3月5日(日) ~ 2023年3月11日(土)
12:00~18:30 /月曜休 / 日曜〜18:00、最終日〜17:00迄