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休廊日は展覧会により異なります

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Golden egg exhibition 小松夏海 山を登るように描く

2023.02.12

2023.02.12

画家の小松夏海さんは、2023年2月25日から開催される二人展「Golden egg exhibition 2023」に出品します。
主に食べ物をモチーフとしてペンで描かれる密度の高い作品は、どのように描かれているのでしょう。

シンプルな画材

小松さんが使用する画材は丸ペンとインクと紙のみ。

愛用の丸ペン

以前は丸ペンに墨汁をつけていたそうですが、最近はパイロットの製図用インクを使用しています。
墨汁は描いている最中は黒々とハッキリとした印象なのに、乾くとなぜか紙の奥に沈み込むような落ち着きのある画面になってしまいますが、製図インクはパリッとした黒が保たれるのでキレを感じさせる画面に仕上がります。
また、パイロットの製図用インクは乾きが遅い分伸びが良く、長く画面の上でペンを走らせることができるのでとても快適なのだそうです。

ちなみに今回は墨汁で描いた作品も展示されるので、墨汁なのか、製図インクなのか予想しながら鑑賞するのも楽しいかもしれません。

制作の過程

制作のスタートは、絵を描くパネルの準備から。
下地として木製パネルにヤニ止めを塗り、その上から雁皮紙というきめの細かい薄い和紙を張り込みます。

パネルにヤニ止めを施す
水張りをするために和紙を湿らせる

パネルの準備ができたら下絵を描きます。
資料を見ながら大まかにモチーフの配置を決めて、柔らかな鉛筆でさっくりと描きます。

下絵が描けたら、丸ペンにインクをつけてただひたすらに描き込みを進めます。

小松さんの制作スタイルは、画面全体のバランスを考慮しながら描くというよりは一筆一筆の目の前の事象を意識しながら描き進め、最終的には意識的に作成した偶発性の高い画面をた作成するというというものです。

ちなみにインクを使う際はスポイトで瓶から吸い取り、少量をエッグスタンドに入れて使うのが便利なのだそう。
「かわいいので、これから素敵なエッグスタンドを集めたいなと思っています」と、小松さん。

インクはエッグスタンドに出して使う

山を登るように描く

小松さんは自身が絵を描く過程を「登山のようだ」と感じています。

2022年に地元である長野県に生活の拠点を移したことをきっかけに、友人に山登りに連れて行ってもらいました。
生まれて初めて挑んだ蝶ヶ岳。
次の一歩をどこに置くか選びながら一歩一歩と歩みを進め、足元に集中しながら斜面を登っていると気がつけば山頂でした。
そこには北アルプスの雄大なパノラマが広がっていたのです。

その時に自身の「絵を描く」という過程が、この山登りにとても似ているなと小松さんは感じたのです。

「先の見えない道を一歩一歩進めて行った先にある偶然を享受するということが、私を知らない私へと導いてくれる。そんな感覚が絵を描く事、山を登る事の双方にあります。」と小松さんは言います。

ペン入れの様子

そうしてできた作品は、いわば小松さんにとって頂の景色となるわけですが、鑑賞者の目にはどの様に見えるのかとても興味深いですね。

余談ですが、小松さんの近日の困りごとは、1月にやってきた子猫が制作台に登って邪魔しにくること。
可愛すぎて思わず一緒に遊び始めてしまい、なかなか制作が捗らないので参っているのだそうです。

展示作品がの制作が間に合うことを願っております。

2023年2月25日(土) ~ 2023年3月4日(土)
12:00~18:30/ 日曜12:00〜18:00 / 月曜休 / 最終日〜17:00迄
Golden egg exhibition 2023

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