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丸橋正幸 × 岡田佐知子 -きらら- 開催中です!
- 制作の現場から
2024.01.17
〒101-0031東京都千代田区東神田1-13-17 森ビル1F
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OPEN 11:30 CLOSE 18:00(最終日17:00)
休廊日は展覧会により異なります
03-6206-0811
2022.10.02
今回は2022年12月11日から個展を開催される油絵作家の木床亜由実さんの制作過程をご紹介します。
木床さんは、日本の絵画のような平面的な画面構成を取り入れることを試んでいて、いわゆる色面を作るのではなく、主に線画を描くようにして質感を作る技法で制作しています。
深みのある明るい色彩と、かわいらしく精緻な表現が人気の作家さんです。
写真は一度絵具で塗った面を削り取るようにニードルで描写している様子です。
このように線画でデフォルメした小麦を描きつめることで小麦畑を表現することができます。
今回ご紹介する作品を構想するにあたって、木床さんの中にはウクライナの事がテーマとしてありました。
「何かメッセージを伝えたい訳ではないのですが、自分が描く必要性として同時代的な事柄を描く事がたまにあります(全く同時代性を盛り込んでいない作品もありますが)。」と木床さんは言います。
空は日本で撮影した空の写真をモチーフにしていますが、国境線のない空を通してウクライナの風景が浮かんできているのかもしれません。
モチーフの空は青一色ですが、木床さんは下地に赤い色を塗ってその上に青色を乗せて空の深みを再現していきます。
その後は透明の青をかけるなどしてさらに深みを出していきます。
冒頭で紹介した麦畑は、その後上から透明性のある絵の具の層を重ね合わせるグレーズをし、白混じりの黄色っぽい色で小麦を描き起こします。
空を飛ぶ飛行機やトンボを描き加えて、写真のようなかわいらしい作品になりました。
下塗りに使った赤い絵の具も一見して空には不釣り合いに見えたかもしれませんが、作品全体の共通項として絶妙に調和したアクセントになっているようです。
木床さんはこの頃、平和に絵を描いたり音楽を聴いたりして過ごしたいという気持ちが強くなっているそうです。
「私の思う素敵な絵は、奥行きや重力、モチーフの大きさなどが自由である空間を持つ絵画です。」と木床さん。
今後はもっと自由になって素敵な絵が描けたらいいなと願っています。
木床亜由実 個展
2022年12月11日(日) ~ 2022年12月17日(土)
12:00~18:30 / 日曜 12:00~18:00 / 月曜休 / 最終日〜17:00迄