磯上 尚江 個展

磯上尚江氏は、版画家として、木版を駆使して独自の作品を創り出しています。
「物語りを層の様に積み重ねていきます。その層を上から観たり横から観たり。木版画も同じく色面を地層の様に重ねていきます。」と、語っています。
作品は、奥深くに広がるストーリーが層となって織り成す美しい表現です。その美しさは、木版画独特のマチエールに加え、重ねられた層の美しさとしても感じられます。
また、磯上氏は絵の具を版を通すことで解いた時よりも一層魅力的な色合いになることに着目しています。摺り方によっても発色や色合いが変わるため、木版画の魅力はさらに広がります。
この個展では、木版を通じて表現する豊かな「層」がテーマの一つといってよいでしょう。
作品の中には、深海に広がる神秘的な「海の底の青い河」という作品も含まれています。その青い河に込められた思いや物語りを、ぜひギャラリーで体感していただきたいと思います。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。磯上尚江氏の独創的な木版画に触れ、美しい物語りをご堪能ください。