丸橋正幸 × 岡田佐知子 -きらら- 開催中です!
- 制作の現場から
2024.01.17
〒101-0031東京都千代田区東神田1-13-17 森ビル1F
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OPEN 11:30 CLOSE 18:00(最終日17:00)
休廊日は展覧会により異なります
03-6206-0811
2022.12.23
2023年1月22日よりSAGではグループ展「Prints & collge」が開催されます。
今回は出展作家の江波戸陽子さんの制作過程をご紹介します。
「現在を過去として眺める感覚がある。
現在のなかに生きてはいるものの、それを未来から眺めているように感じる。
静物は遺品、建築は遺跡、人物は生前の姿に見える。 あらゆるものは等しく過ぎ去る。」
と、制作テーマを記す江波戸さん。
だいたんな余白の中に描かれた小さなモチーフは、まさに過ぎ去った遠いもののようなノスタルジーが感じられ、思わず近づいて見入ってしまう魅力を放っています。
そして描かれている内容は、思わず口元が緩まずにはいられない洒落っ気に満ちているのです。
版画で用いられる画材を用いて制作されるという江波戸さんの制作過程を見てまいりましょう。
今回ご紹介する作品はこちらです。
右上に小さく描かれているものは何でしょうか。
陶器製の小さな置物、フェーヴです。
広尾の雑貨店で江波戸さんが購入したものだそうです。
こちらがモチーフとなるフェーヴの実物です。
どのような過程を経て作品が完成するのでしょうか。
今回制作に使用する画材です。
左上から時計回りに楕円定規、油性色鉛筆、カーボン紙、銅版画用ニードルとなっています。
用いる紙はこちら。
木版画によく使われる手漉きの和紙です。
まずはモチーフを見ながら紙にカーボン紙を乗せ、その上に定規を当てニードルで線を引きます。
ニードルで線を引いた場所にカーボン紙のインクが写って線が描かれます。
下絵が描かれました。
一見フリーハンドでざっくり描かれたようにも見えますが、よく見ると綺麗な楕円の重なりで構成されています。
下絵の上に油性色鉛筆で色を塗りました。
余白のバランスを調整するために紙をカットした江波戸さん。
今度は何やら茶色い液体に作品を浸してしまいました。
この液体の正体は、なんとホットコーヒー。
古い紙を使って制作しているのかと思いきや、このようにしてエイジング加工をしているのですね。
バットから作品を取り出し、重しを乗せて水分を抜いたら出来上がりです。
版画を制作されていた江波戸さんならではの独自技法、次回は別の作品の制作過程をご紹介します。
Prints & collage
2023年1月22日(日) ~ 2022年12月28日(水)
12:00~18:30 / 日曜 12:00~18:00 / 月曜休 / 最終日〜17:00迄