
丸橋正幸 × 岡田佐知子 -きらら- 開催中です!
- 制作の現場から
2024.01.17
〒101-0031東京都千代田区東神田1-13-17 森ビル1F
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OPEN 11:30 CLOSE 18:00(最終日17:00)
休廊日は展覧会により異なります
03-6206-0811
2022.09.04
本日は、Aubade展(9/11-9/22)に出品される、タケイチユリさんの作品をご紹介いたします。
タケイチさんは、油彩や水彩などで作品を制作される絵画作家さんです。花と人が融合したような、幻想的なモチーフがとても印象的。(他にもイラストレーター、マトリョーシカ作家としてもご活躍されています!)
この度は、Aubade展DMに掲載された作品について、制作過程をお伺いしました。
どんな過程を経て、あの作品が生み出されていくのか、早速みていきましょう!
初めに、どのような作品にするのか、浮かんできたイメージを逃さないようにスケッチしていきます。
今回は、人物の表情と、髪の毛から魚に変わっていくラインが浮かんできたとのこと。
一見無関係に見えるモチーフの組み合わせは、クロッキーや散策をしている時にフッと浮かんでくることも多いのだとか。
「日々のインプットが心にたまって、ある時ひとつの映像になって出てくるような感じです。」
子どもの頃は、川辺の草花にまぎれるようにして遊んでいたというタケイチさん。
その体験から、「自然の中では、人も、1本の草と同じ」という感覚があるそうです。
タケイチさんの作品には、植物が多く登場します。
人と植物が同じ視点で描かれ、時には同じ大きさで、時には融合しながら描かれるスタイルは、幼少期に培われたものなのですね。
また、植物と同じく、空中を飛ぶ魚のモチーフも、よく描かれます。
「はるか頭上を泳ぐ魚を見て、”人間が生きられない、別の生き物たちの世界があるんだ、むしろそれが殆どなんだ”と衝撃を受けました。」
10代の頃に海に潜った経験が、作品にも色濃く反映されています。
アイディアスケッチで構図が決まったら、パネル貼りした水彩紙に筆で線描きをしていきます。
ここで、光や立体の肉付けもするのだとか。全体的にぼんやりと色がつき始めました!
最終的な色をイメージしながら、さらに色をのせていきます。
ひとつの色をのせて終わり、ではなく、目指す色をイメージしながら、必要な色を層のように重ねていきます。
完成の色を思い浮かべ、そこから逆算して作業を進めていく様子は、まさに経験の為せる技!
さらに着色を進めていきます。
「色を重ねてみて、イメージ通りの発色になった時はとても嬉しいです。」と、タケイチさん。
ここまでくると、お次はいよいよ面相筆(極めて細い線を引くための、細くて長い筆のこと。眉や顔などの細部を描くのに用いられる)で細部を描き込んでいく工程にうつっていきます。
”幻想性”と”リアルさ”のバランスを考えながら、描写を仕上げていきます。
モチーフや色合い、背景との関係も見据えながら、細かく整えていく作業です。
「画面全体が充実して輝きが出たように感じてきたら、いよいよ完成が近いです。」
終盤に描き加えられた、女性の体内にあるたくさん銀河は、”宇宙の中に命があり、人の中にも宇宙がある”という感覚から発想されたもの。
「月や星空は、”大きな自然”と人間もどこかで繋がっている、自らも包まれているということを教えてくれます。」
草花、海、そして宇宙。
自然に対するタケイチさんの哲学が、作品の中で生き生きと調和し、色づき、描かれます。
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「特別な技法はなく、ひたすら描いています」と、話すタケイチさん。
とはいえ、各過程を追ってみれば、その繊細で丹念な作業とインスピレーションが、美しい作品となって表現されていることが実感できます。
丁寧に紡ぎ出された作品が、どのような完成作品となっているのか…。
ぜひ9月11日から、ギャラリーにてご自身で観て、感じてみてください!
Aubade
2022年9月11日(日) ~ 2022年9月22日(木)
12:00~18:30 / 日曜 12:00~18:00/12日、20日 休/ 最終日~17:00迄