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休廊日は展覧会により異なります

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佐藤牧子 展 2022 化粧土、釉薬による加飾

2022.11.04

2022.11.04

前回に続き陶芸家・佐藤牧子さんの制作風景をご紹介します。
ベースとなる器に化粧土を使って加飾を施していきます。

化粧土による加飾

佐藤さんはいつも白化粧を使いますが、今回の展示に向けて黒化粧を使った作品も制作しています。
黒化粧の黒い色は、酸化鉄やマンガン、コバルトなどの金属類で発色させます。
酸化鉄のせいで真っ赤な泥ですが、焼くと黒色になります。

黒化粧に用いる化粧土
作品の黒くしたい部分に塗る

釉薬による加飾

佐藤さんが作品作りで一番時間をかけるのが釉薬掛けです。
展示がスタートするまでのラスト2ヶ月くらいは、ほとんどが釉薬を掛ける日々を過ごされています。

複数の異なる釉薬を重ねて色の変化を狙うこともあれば、マスキングテープや撥水剤を活用してしっかりと釉薬を掛け分ける事もあります。

釉薬は焼く前と後では全く違う色と質感になるので、作者である佐藤さんにも成功なのか失敗なのかは、この段階ではわかりません。
ですので窯出し前はとても緊張するそうで、「何年やっても心臓に悪い、慣れない瞬間です。」と佐藤さんは言います。

釉薬をかけた状態

出来上がり

釉薬をかけた作品を窯で焼き作品が完成します。
釉掛けの段階とはがらりと雰囲気が変わり、佐藤さんの色に仕上がりました。

焼きあがった作品

佐藤さんが制作する器の形や表面処理は、まず使い心地を念頭に置きながらも、ご自身が求める質感とどう折り合いをつけるかで考えます。
例えば、マットで土っぽい質感は好きだけど、食器として使用に耐えるか、手入れはしやすいか、形もなるべく軽やかな印象にしたいけど安定感も必要だな、、などなど。

佐藤さんならではのかわいらしい装飾は、植物や風景などからイメージを得る事が多いそうです。
車を運転中に窓から見える遠くの山と空の境目の曲線や、道を歩いているときに足元に落ちる建物の影の形など、ふと心が動く日常の瞬間を大切に、制作の手がかりにされています。

「直接手に取る、口を付ける、食べるものを入れる器を作るということは、ふと、どこかの誰かの命を預かっている様な気持ちになる時があります。」と、佐藤さん。

器を使う人にとっての快適さとご自身のこだわり、身の回りの景色から生みだされる親しみやすい柄と陶器の風合い。
その心地よいバランスが取れた小さな器たちから、たくさんの物語が広がってくれる事を佐藤さんは願っています。

佐藤牧子 展
2022年11月20日(日) ~ 2022年11月26日(土)
12:00~18:30 / 日曜 12:00~18:00 / 月曜休 / 最終日〜17:00迄

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