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休廊日は展覧会により異なります

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伊東ユウカ そのときめきを、筆に込めて

2023.05.08

2023.05.08

本日は5月14日(日)から開催するグループ展「Lento」に出品される、伊東ユウカさんの作品についてご紹介いたします。

Lentoとは音楽における速度指示のひとつで、“ゆるやかに”“ゆっくりと”という意味の語。
目まぐるしい日々の現代社会とはかけ離れるかのような、やわらかく、自然で、ゆったりとした心地に誘う作品の数々が、3名の作家によって展開されます。

その中のおひとり、伊東さんの作品は、油絵による作品です。
柔らく溶け合う色彩の中に、動物を主人公にしたワンシーンがふんわりと描かれます。

DMにも使用されている作品「カタトキ」

しかし、伊東さんの作品は、今回の展覧会タイトル「Lento」の意味合いでは、少々物足りないほどの熱量が込められた作品ばかりです。

愛の片鱗をこめて

というのも、伊東さんの絵画制作における原動力は“推し活”。
作品のアイディアは、普段に生活に根付いたもの、身近なものを無意識に選んでいることが多いそうですが、伊東さんにとっては、推し活(ジャニーズ)は生活の一部であり、大半のエネルギーを注ぐ重要なもののひとつです。
LIVE、映像、歌、ドラマ、バラエティ、SNS…。
数々のメディアから得た”大好きのかけら”が、作品制作のきっかけになるだとか。

まずは、2007年に制作された「バナナボート部」という作品をご覧ください。

「バナナボート部」

赤く広がった海原の景色の中、5匹のお猿さんがボートを漕いでいます。
各々の表情から、性格や、楽しそうな様子が伝わってくるかのようです。

こちらは、当時放送されていた、嵐のバラエティ番組「まごまご嵐」の1コーナーからの着想によって生まれた作品です。
確かに、言われてみればメンバー5人の個性が表現されているようにも捉えられます。

そして、2009年に制作された「ハチ公と黒毛和牛」。

「ハチ公と黒毛和牛」

タイトルのとおり、モチーフは赤いハチ公犬と黒毛和牛です。
鮮やかな黄色の背景色に、すらりと伸びたクローバーも、画面に華を添えています。

こちらは、同じく嵐・櫻井翔さん主演の映画「ハチミツとクローバー」(2006年製作)からインスピレーションを得た作品。
絵画のモチーフがそのまま反映されたタイトルですが、このタイトル、略すと“ハチクロ”になるんです…!
制作の裏側エピソードを聞くと、中心に描かれたクローバーにも意味とつながりがあることがわかりますね。

同じく2009年制作「東京サファリナイト」はというと…。

「東京サファリナイト」
こちらの作品は、今回のLentoにて展示予定です。

まだ夕暮れの時間であるかのような、ほんのりと赤みを帯びる夜の景色。
優しい月明かりと、高層ビル群の光が、夜の時間を押し込めるようにエネルギッシュに光ります。
そのなかに点在する、人や動物の影が、都心と大自然という場所を錯綜させ、垣根を取り払うかのようなインスピレーションを掻き立てます。

この作品の着想は、嵐の国立競技場でのLIVEがもとになっているのだとか。
嵐のメンバーが見たであろう景色に想いを馳せて制作したそうです。

そのエネルギーを、筆に乗せて

推し活が作品制作の原動力となっている伊東さんですが、もちろん推し活中は制作のことは一切考えないと言います。
当然といえば当然。
大好きな彼らのパフォーマンスに全力で集中し、全身で、五感で、その瞬間と同じ空間と一体となり、楽しむからです。
その全力投球の推し活が、いざ作品制作をする際のきっかけをつくりだします。
自身が体感した当時の感動や感覚、パワー、ワンシーンを手がかりに、作品が生み出されるのです。

「直接彼らを描くことはほとんどありませんが、想いを馳せながら制作するのは楽しいです」と嬉しそうに語る伊東さん。

今回の展示に向けて制作した作品は、始終King & Princeの曲を聴きながら制作しているとのこと。
奇しくも本展覧会が終了する数日後に、現在の5人での活動が終わってしまうグループに向けての感謝と未来への祈念が、筆を進めるエネルギーとなっているそうです。

「作品へのイメージが湧いたのが4月半ばでした。
絶対にこのタイミングで描き上げたいと思っています。」

作品へと向き合う意気込みに、熱がこもります。

ここでこっそりと、今回の制作のために描きあげたという大作「ありがとうの花」をご紹介しましょう。
(出来立てホヤホヤの画像を、追加でご提供いただきました!)

新作「ありがとうの花」

柔らかな暖色のニュアンスカラーを背景にして、ライオンが横向きに座っています。
画面中央に大きく鎮座するライオンの表情はとても穏やかで、閉じられた目はどこかに想いを馳せているかのようにも感じられます。
雄のライオンを象徴するたてがみは、色とりどりの花々で表現されており、作品に彩りを加えます。

この作品は、King & Princeの曲である「Beautiful Flower」を聴きながら制作されたとのこと。
モチーフとなるライオンは、King & Princeのライブでは、守り神のように必ずどこかに配されているのだそうです。

5人での活動の区切りを、明るい未来へと踏み出す手向のように、作品を通してたくさんの花々を送ります。
笑顔で、そして前を向いて。
彼らに送るメッセージであると同時に、伊東さん自身の決意と心象をも伝えるかのような、幾重にも想いが込められた作品に仕上がりました。

**
作品への愛情と、推しへの愛情は、切っても切り離せない、伊東さんにおける大事な構成要素です。
絶賛子育て中、お仕事に家事にと日々忙しい伊東さんにとって、制作できるタイミングや時間は限られたものとなっています。
描きたい時に描けず、頭の中にイメージを膨らませるしかままならないことも多い中、デジタルツールの活用や、推し活から得た感動体験が、伊東さんの制作を支えています。

体と心いっぱいに広がる、キラキラとしたときめきとエネルギーが、やわらかな色彩を通じて皆様にも届きますよう、是非会場にてご体感ください。

Lento
伊東ユウカ 宮木亜弥 櫛田緑
2023年5月14日(日) ~ 2023年5月20日(土)
12:00~18:30 /月曜休 / 日曜〜18:00、最終日〜17:00迄

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