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休廊日は展覧会により異なります

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丸橋正幸 個展 変わらない場所 vol.5 日常風景の溶融

2022.10.12

2022.10.12

画家の丸橋正幸さんは、様々な画材を淡く何度も塗り重ねることで、身の回りの風景の印象を作品に定着させています。
色彩を折り重ねるうちに風景の具体的な形は失われ、記憶と忘却、思考と感情、時間と材料との係わり合いから生まれる、丸橋さんの作品の制作風景をご紹介します。

モチーフの撮影

モチーフとなる風景を写真に収めます。
内容は丸橋さんが日常の中で「ピピっとくる」気になる風景です。
普通に過ごしていたら見過ごしてしまいそうな何気ない日常の一コマですが、確かに切り取り方次第では規則的に並ぶタイルとランダムに並ぶ草や花びらのリズム感の対比、差しこむ太陽の光と影の構図が完成された絵のようにも見えてきます。

モチーフとなる風景

イメージを膨らませ色を塗り重ねる

写真に撮った風景を基にして作品のイメージを膨らませます。
“膨らませる”というよりも風景の具体的なイメージを溶かして、その印象だけを残していく過程にも見えます。
アクリル絵具を多めの水で溶き薄く塗り、その上に膠、胡粉、水干といった主に日本画で使用される画材で色を作って塗っていきます。
この工程を繰り返して画材を重ねていくことで、淡く深い色と質感が作られていきます。

多めの水で溶いたアクリル絵の具で着彩
膠、胡粉、水干で色を作り重ねていく

作品との対話と変化

丸橋さんの描く作品に最終的な予想図は事前にはありません。
目の前の作品を眺めながら色を塗り重ねていく過程の中で、作品は常に変化をしていきます。
時にはガラッと変化することもあったりし、モチーフにした写真と比べてあまり変化しないこともあります。
それは作品によってまちまちです。

ちなみにこの記事でご紹介している作品は、大きな変化がなく進んだ例です。
作品が変化をやめて作業がどこで終了するかは、丸橋さんの感覚的な判断によります。

こうして色を重ねてきた作品は、最終的には薄く油彩が施されます。
油分が浸透することで薄く塗り重ねた油絵具の層の下から、下地の色がほんのり浮き出てきたりして複雑なマチエールになるのです。

最終段階で油彩による着彩を施す

写真やパソコン・スマホの画面越しでは伝えきれない、細かな色の変化や質感を是非ご高覧ください。

丸橋正幸 個展
– 変わらない場所 Vol5 –
2022年11月6日(日) ~ 2022年11月12日(土)
12:00~18:30 / 日曜 12:00~18:00 / 月曜休 / 最終日〜17:00迄

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