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休廊日は展覧会により異なります

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本日は4月23日(日)から開催された 綴-ふたり展- に出品した、宮本千瑞さんの作品について制作過程をご紹介いたします。

宮本さんは、ご自身が数多くの時と光景を通過してきた経験から、その中にある矛盾や葛藤を丸ごと受け止め、美しく形にしていくことをテーマとして、様々な画材を使って制作するミクストメディアの手法で表現しています。

一見すると対立するように見える要素が繊細に調和して表現され、絵画の枠を越えた作品はどのように作られているのでしょうか。

「Home portrait」

Home portrait

「Home portrait」は前回の展示で発表された作品で、宮本さんがいつも目にしているご自宅の風景を描いたものです。

モチーフとなった風景

なぜご自身にとってありふれた日常の光景を描いたのでしょうか。
そこには撮影した画像の正確さでもなく、完全な抽象表現でもないあり様に、価値を見出しているからだと、宮本さんは考えています。

エスキースからの発想

宮本さんは作品制作のためにエスキースを描くことはあまりないそうです。
しかし、特に目的もなく目に付いたモチーフをスケッチしておくと、後になってそのスケッチが作品の要素になっていることがあると、ふとした瞬間に気が付くことがあります。

マグカップのスケッチ
「Crema」厚紙にミクストメディア

普段何気なく見えているもの、感じていること、考えていることが、意識の下に溶け込んだ後に、作品として浮かび上がってくる。
「そんな “待つ” 時間を、無意識においているように思います。」と宮本さんは言います。

制作に欠かせないもの

宮本さんが近年ずっと使用している素材に、ご家族の古着と脱脂綿があります。

作品として描くモチーフと共に、自分にとって記憶の拠り所となる古着もまた、宮本さんにとって制作のきっかけの一つとなっているのです。

ご家族の古着や脱脂綿

宮本さんは、融通無碍に様々な素材を包み、繋いでくれる制作には欠かせない材料として、脱脂綿を用いて制作をしています。
アクリル絵の具を主とした描画材として組み合わせることで、ご自身にとって自然なマチエールを得られると思っています。

作品が物質として「在る」こと

近年デジタルの技法による作品が世の中には増えてきています。

そんな中で宮本さんは、作品が物質として「在る」ことに重きをおいています。
物質としての色は、デジタル画面の光としての色と異なり、マチエールと不可分の存在であると考えて、今回ご紹介したような制作手法をとっているのです。

「ありがちな・ありがたい
私を通過していく、数多の光景 流れていく・とどめておきたい
矛盾をまるごと抱えながら、それを形にしたい」
宮本千瑞

綴 -ふたり展-  宮本千瑞 原こなみ
2023年4月23日(日) ~ 2023年4月29日(土)
12:00~18:30 /月曜休 / 日曜〜18:00、最終日〜17:00迄

展示の様子はSAGチャンネルでご覧いただけます。

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