2025年7月27日(日) ~ 2025年8月2日(土)
11:30~18:00 / 月曜休 / 最終日〜17:00迄
Breeze
菊川陽子 佐藤賀奈子 下河智美

3人の作家によるグループ展「Breeze」を開催いたします。
展覧会タイトル「Breeze」は、夏の微風、そよ風、ゆらぎといった目に見えないけれど確かに感じられるものをイメージし、それぞれの作家の表現が会場空間でやわらかく交じり合いながら響き合うことを願い名付けました。
出展作家は以下の3名です。
菊川陽子:土や雨の匂い、音、記憶の断片を紡ぎ、目には見えない情景や気配を描く。
佐藤賀奈子:言葉で表せない感情を、銅版画の重なりで表現する。時間や記憶の蓄積を層としてとらえ、過ぎ去る「今」を作品に刻む。
下河智美:反復と差異に着目し、日常の中で感じられる微妙なズレや変化を版画という手法を通して可視化する。
作家それぞれが自由に、自身のテーマと向き合いながら生み出した作品たちは、個性を保ちながらもやさしく溶け合うことでしょう。
夏の静かな風を感じるような、穏やかで心地よいひとときを、ぜひ会場にてご体感ください。
作家
菊川陽子 KIKUKAWA YOKO
概要神奈川県小田原市出身
多摩美術大学美術学部デザイン科 卒業
日本版画協会 準会員
2005~2024年 日本版画協会展 東京都美術館
2007年 個展「菊川陽子展 頭上の植物」ギャラリーなつかbp (東京) (‘09)
2008年 「第1回イスタンブール国際版画ビエンナーレ」 (トルコ )
2009年 「第8回レッセドラ国際小版画展」 (ブルガリア)
2013年 「第12回南島原市セミナリヨ版画展」 (長崎)
2022年 個展「菊川陽子展 風の通り道」SAN-AI GALLERY (東京 ) (‘18、19)
他、個展グループ展多数
佐藤賀奈子 SATO KANAKO
略歴
1986 宮城県生まれ
2008 東北芸術工科大学芸術学部美術科洋画コース 版画専攻 卒業
2010 東北芸術工科大学大学院 芸術工学研究科 修了
2010~現在 阿佐ヶ谷美術専門学校 版画工房管理者として勤務
展示歴・出品歴
2012 ピュシス・萌芽する版画家たち(養清堂画廊・東京他巡回)※2013-2019,2021出品
2014 個展「これまで、ここから」(自由が丘もみの木画廊・東京)
2015 3Expressions 東北の蕾 ピュシスより(養清堂画廊・東京)
FINE ART / UNIVERSITY SELECTION 2015-2016(つくば美術館・茨城)
アワガミ国際ミニプリント展 (阿波和紙伝統工芸会館・徳島)
2016 「gene.」(自由が丘もみの木画廊・東京)
Una finestra su Tokyo (ベッリーニ美術館・イタリア)
版画選抜展 (銀座スルガ台画廊・東京)
2017 個展(ギャラリー檜・東京)
2018 TOHOKU CALLING SMALL WORKS(オリエアートギャラリー・東京)
個展「春の匂い」(SAN-AI GALLERY・東京)
2019 個展「switching」(ギャラリー檜e・東京)
ピュシスウエスト5人展2019萌えいづる版画家たち(ワイアートギャラリー・大阪)
2020 ピュシス銅版画展―写すものと映されるもの(CCGA現代グラフィックアートセンター・福島)
-版4人展- 常田泰由/佐藤賀奈子/手賀彩夏/西平幸太(JINEN GALLERY・東京)
2022 版画選抜展(銀座スルガ台画廊・東京)
2024 「今」展(人形町vision’s・東京)
菊川陽子 佐藤賀奈子 展(SAN-AI GALLERY・東京)
下河智美 SHIMOKAWA TOMOMI
2011年 女子美術大学卒業
2013年 女子美術大学修士課程美術専攻版画研究領域修了
受賞歴
2010年 第35回全国大学版画展 美術館収蔵賞
2011年 女子美術大学版画研究室 買い上げ賞
女子美術大学 卒業制作賞
2012年 女子美術大学大学院 特待生
2013年 女子美術大学 福沢一郎賞
パブリックコレクション
2010年 町田市立国際版画美術館
2011年 女子美術大学版画研究室
2013年 女子美術大学版画研究室
主な展覧会
2021年 「凸凹Selection」SAN-AI GALLERY (東京)
2018年 「Visual contents29 -版画展-」SAN-AI GALLERY (東京)
2017年 「日本版画協会第85回記念版画展」(東京)
2015年 「下河智美 展」アートギャラリー絵の具箱 (東京)
2014年 「下河智美初個展-こうじつきに告ぐ-」OギャラリーUP・S (東京)
「Visual contents24 -版画展-」 SAN-AI GALLERY (東京)
「大石照美 下河智美 二人展」ギャラリークローゼット (東京)
2013年 「女子美術大学大学院修了制作展」シロタ画廊 (東京)
「-版絵- 下河智美 西山瑠依 中村花絵」養清堂 (東京)
2012年 「台湾芸術大学、女子美術大学交流展」JOSHIBI ART MUSEUM (東京)
「ピンクリボン女子美アート作品展」コニカミノルタプラザ (東京)
「日本版画協会 第80回記念版画展」東京都美術館 (東京)
「第8回あおぞらDEアート」泰明小学校 (東京)
「全国大学版画展」町田市立国際版画美術館 (東京)
2011年 「福達美交流展」国立台湾芸術大学(台湾)
他、個展、グループ展多数
ステイトメント
菊川陽子 KIKUKAWA YOKO
土や雨の匂いや音、記憶の断片をつむぎ、見えないものをイメージして描いています。
佐藤賀奈子 SATO KANAKO
言葉で表せきれない感情を、作品に込めています。
銅版にインクを詰め、紙に刷りとると版の凹凸が紙に刻まれます。それは、過ぎ行く今を形に残す行為だと感じています。
私は、複数の版を重ねて刷って制作しています。刷られたインクは層になり、幾重にも重なり合います。たとえ最初に刷った版が見えなくなっても、それは確実に存在し、影響しています。これは、時の流れや記憶の蓄積にとてもよく似ていて、私の制作に欠かせないものとなっています。過ぎ去った時間や忘れてしまった記憶さえも、今の自分を形成する大切な要素となっているのです。
時は常に流れ、「今」は一瞬で過ぎ去ります。その一瞬を、忘れたくない感情や風景を、収集するように制作しています。
下河智美 SHIMOKAWA TOMOMI
版画とは同一的反復行為による差異性を感じるものであ り、そこが魅力的で面白い点であります。 この特徴は技術だけではなく、私たちの日常生活にも多く 感じる瞬間があり、作品に投影しています。