2024年10月27日(日) ~ 2024年11月2日(土)
11:30〜18:00 / 月曜休/最終日 〜17:00
菊川陽子 佐藤賀奈子 ふたり展
菊川陽子 佐藤賀奈子
左:「湖水の森01」菊川陽子 / 右:「long time no see! 11-15-24」佐藤賀奈子
菊川陽子と佐藤賀奈子の二人展を開催いたします。
菊川陽子
菊川陽子は、リトグラフ版画を用いて制作をしています。小さな生き物や植物の形状といった
自然界の一部や土や雨、風の匂い、そして記憶の中に浮かぶ何気ない風景や音をも含んで表現
しています。自然の中に身を置いているかのような感覚を呼び覚ます版画作品です。
佐藤賀奈子
佐藤賀奈子は、銅版画を用いて、言葉では表せない感情を作品に込めています。銅版にインク
を詰め、複数の版を重ねて刷り上げる彼女の作品は、インクが層を成し、時の流れや記憶の蓄
積を象徴します。瞬く間に過ぎ去る今、忘れたくない感情や風景を捕らえ、丁寧に織り上げら
れた作品は深い余韻を残します。
ぜひ、足をお運びいただき、菊川陽子と佐藤賀奈子が織りなす作品をご覧いただきたいと思
います。皆様のご来場を心よりお待ちしております。
作家
菊川陽子 Yoko Kikukawa
佐藤賀奈子 Kanako Sato
ステイトメント
菊川陽子 Yoko Kikukawa
日々の暮らしが便利になる中、 四季折々の季節の変化を感じることが薄らいでいるようで 近頃は、やや不便でも自然の中にいると心地よく感じられます。
そんな気持ちで日々を過ごしていると 自然の造形には驚かさせるような発見で満ちていて そのインスピレーションが嬉しくて、 制作へと気持ちが向かうのです。
土や雨、風の匂い、小さな生き物や植物の造形、 記憶の中にある何気なくて印象的な風景の断片、 聞こえてくる音などとを紡ぎ合わせ 見えるもの見えないものをイメージして 1版ごと1枚1枚色を重ねて版画による作品を制作しています。
佐藤賀奈子 Kanako Sato
言葉で表せきれない感情を、作品に込めています。
銅版にインクを詰め、紙に刷りとると版の凹凸が紙に刻まれます。それは、過ぎ行く今を形に残す行為だと感じています。
私は、複数の版を重ねて刷って制作しています。刷られたインクは層になり、幾重にも重なり合います。たとえ最初に刷った版が見えなくなっても、それは確実に存在し、影響しています。これは、時の流れや記憶の蓄積にとてもよく似ていて、私の制作に欠かせないものとなっています。過ぎ去った時間や忘れてしまった記憶さえも、今の自分を形成する大切な要素となっているのです。
時は常に流れ、「今」は一瞬で過ぎ去ります。その一瞬を、忘れたくない感情や風景を、収集するように制作しています。